設計・提案段階で「改良6出なし」は使えるのか?

2017-12-06

こんにちは。ブログ担当、ウエダです。

前回、「予防」という使い方をした久志本組様の受注事例をご紹介したのですが
【事例紹介】橋梁補強工事にてご活用いただきました

 

「改良6出なし」は、セメント系固化材を使う工事や再生砂等で、事前検査で6価クロムが溶出することが分かった場合や、
6価クロム汚染で困っている土壌に使う商品で、基本的には設計段階では組み込みにくく、困った時の手段、といった場面で
使われることが多いのですが、設計・提案段階で使うシーンについて考えてみました。

 

結論からいってしまうと、
プラスαの要素として入れられるのでは!?

 

ということで、どんな風に入れられるのか?ということについて、ウエダからの提案をさせていただきます!

 

~ウエダからの提案~
このHPだったり、ブログだったりでお知らせしてきたのですが、
セメント系固化材を使う工事で6価クロムが溶出するメカニズムは分かっておらず、
「必ず」はないのですが、分かっていることとして、
「普通ポルトランドセメントを使った工事」と
「火山灰質粘性土(関東ローム層等)でセメント系固化材を使う工事」の2つについては、6価クロムが溶出する確率が
他の場合と比べて高い、ということは分かっています。*
なので、この2つの条件にあてはまる場合には、設計・提案段階から「改良6出なし」を使うことを想定しておく、
もしくは予防として、設計に入れてしまう、ということをご提案します!

 

【例1:火山灰質粘性土の現場で公共工事の場合】
工事予定の土壌が火山灰質粘性土の場合、6価クロムの溶出検査は、施工前の検査と、施工後の検査が必要ですが、
施工後の検査で6価クロムが出てしまった場合、掘削除去等しか対策がなく、相当な費用がかかってしまうので、
最初から予防として「改良6出なし」を使う(事前検査で陰性でも、後で出てくることがあります)
→健康保険と似たところがあります。問題ない場合はコストが多くかかったように思えますが、いざという時に安心で、
多大な出費を抑えます。また、環境配慮という点では◎です!

 

【例2:普通ポルトランドセメントを使った公共工事の場合】
普通ポルトランドセメントを使う予定の工事の場合には、事前の6価クロム溶出検査の時に「改良6出なし」を使った場合のものも
合わせて検査しておき、6価クロムが出てしまっても工期に影響のないよう準備しておく
→1検体分余計に検査費用はかかりますが、いざ6価クロムが溶出してしまった場合にかかる時間と労力を考えると、
小さな投資といえると思います。

 

【例3:火山灰質粘性土の現場の民間工事の場合】
現場の土壌は火山灰質粘性土で、地盤改良工事の前に6価クロムが出やすいので、土壌汚染による資産価値の低下を防ぐためにも、工事の際には「改良6出なし」を予防として使用
→例1と同じく、健康保険のような扱いですが、万が一、何十年後にその土地を売ろうとする時に土壌汚染が発覚すると、
浄化費用等で資産価値が下がる可能性があることを施主様にご理解いただいた上で、その場合の費用と比較してもらうと
良いかと思います。

 

いかがでしょうか?

 

あくまで例ですが、お客様が困らないように配慮をするべきポイントとして提案・設計段階で入れていただくことにより、皆さまが安心して工事に臨めるのではないか、と思っております。

どちらかの条件に当てはまる場合には、ぜひご検討ください^ ^

 

*:参照 セメント系固化処理土に関する検討 最終報告書(案)

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