地盤改良工事でなぜ6価クロム問題??*前編*

2017-08-31

おはようございます。ブログ担当、ウエダです。

 

前回、地盤改良工事で6価クロムが発生するリスクがあるお話をしたのですが、

今回は、なぜそんなリスクが?というところを、少し掘り下げて書こうと思います。

 

地盤改良工事・・・どんな時に行われるかというと、その土壌・地盤が軟弱な時に、

希望する用途に耐えられるようにするために行われる工事をいいます。

建物を建てる場合は、その形状(一般住宅なのか、マンションなのか、ビルなのか等)によって、

またその他目的により(高架線を設置したい、道路を新たに施工する等)工法はいろいろありますが、

地盤改良工事で使われる機会が多いのがセメント系固化材です。

セメント系固化材とは、セメント協会のHPによれば、セメントを母材として、

各種の有効成分を添加したもの、とあります。

セメントを母材として、とありますが、セメントには現状、本来の原料以外にも、

一定量のいろいろな有害物質が含まれています。

その経緯については、別の機会に触れたいと思うのですが、いろいろな有害物質を含んだ状態でも、

コンクリートとして固めて使用している分には全く問題はありません。

ですが、セメント系固化材を使用する場合、その土地の土と混ぜて、元々ある土を固くするために、

コンクリートのようには完全に固まらない状態で使用します。

その時に、6価クロムに関しては、その土地の土との相性により6価クロムが土全体に溶出してしまう、

というのが地盤改良工事における6価クロム溶出のリスクです。

 

最近では、6価クロム溶出低減型のセメント系固化材が一般的に使われています。

業界の人たちは、このタイプを6価クロム対応型と呼び、固化材を使用する際には、

この対応型を使ってと指示をすることも多いようです。

6価クロムが心配です、という声にも対応型を使っているから大丈夫!

と答えているようなのですが・・・

 

コレ、先ほど記載したように正しくは「低減型」であって、低減されているだけで

6価クロムは含まれています。

セメント協会のHPにも、極微量の6価クロムが含まれているので、事前に溶出検査をしてください、

と記載しています。JIS規格上、6価クロムが含まれていて問題がないわけです。

業者の皆さんが対応型と呼んでいる固化材でも、6価クロムは含まれていていて、

公共工事では事前検査が義務付けられています。

 

またしても長くなってしまいました💦

ので、次回に続きます。

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